~台湾清酒・焼酎研究協会(TSSA)第2回年次大会 韓国KSSAとMOU締結、TDKは台湾産清酒「天衡」「初心」の分析結果を海外初公開~
社団法人台湾清酒・焼酎研究協会(理事長:管怡宣、以下TSSA)は、2026年10月1日(木)の「日本酒の日」に、台北市の格萊天漾大飯店(Great Skyview Hotel)にて第2回年次大会「2026清酒・焼酎国際交流フォーラム」および「2026日本酒の日 乾杯式典」を開催しました。「日本酒の次の10年」をテーマに、日本の産官学研を代表する5名の専門家が台北に集結して講演したほか、TSSAと韓国清酒・焼酎研究協会(KSSA)による協力覚書(MOU)の調印式を実施。夜の乾杯式典には台湾・日本・韓国から約150名が参加し、年に一度の「日本酒の日」を世界と同時に祝いました。
■ TSSAとKSSAがMOUを締結 日本・台湾・韓国をつなぐ新たな連携へ
大会の開幕に際し、TSSAは韓国清酒・焼酎研究協会(KSSA、車珍宣会長)と協力覚書(MOU)を締結しました。両協会は今後、清酒・焼酎の文化、教育、研究、品質評価および産業交流において長期的な協力関係を構築していきます。
TSSA理事長・管怡宣は次のように述べています。「台湾は酒米の栽培から醸造、そして消費市場まで一貫した構造を持ち、日本の市場と言語にも通じており、アジア太平洋地域で日本酒の専門フォーラムを開催するのに最もふさわしい場所です。」今回始動した韓国との交流・協力により、両地域の専門コミュニティが互いに学び合う土台が整いました。TSSAは今後、日本の公的機関が築いてきた清酒の官能評価・品質評価の科学的体系を台湾に導入し、国際水準の清酒評価人材を育成することで、台湾をアジア太平洋における日本酒専門交流のプラットフォームへと発展させることを目指します。
■ 「日本国内」から「世界の文化市場」へ 日本酒の「次の10年」を再定義
日本酒は現在、構造的な市場転換の只中にあります。日本酒造組合中央会 理事の宇都宮仁氏は、国内の清酒課税移出数量がピーク時の約2割にまで減少した一方、2025年の日本酒輸出額は459億円に達し、世界81の国・地域へ広がっていると指摘。国内市場が縮小を続けるなか、業界が考えるべきはもはや販売量ではなく、世界各地で日本酒の文化的価値をいかに確立するかであると語りました。
このグローバル化は、すでに「海外で日本酒を醸す」新たな段階に入っています。日本酒輸出協会 会長の松崎晴雄氏によれば、現在、日本国外には北米・欧州・中南米などに約80~90の清酒醸造所が存在し、米国では品質と量産力を兼ね備えた醸造モデルも登場しています。
市場の境界が開かれるなか、日本酒が向き合うのは輸出だけではありません。気候、技術、時間、そして国際的な評価基準そのものが大きく変わりつつあります。独立行政法人酒類総合研究所(NRIB)主任研究員の髙橋圭博士は最新の研究を紹介し、地球温暖化と原料条件の変化のもとで、醸造技術によって酒米の制約をいかに乗り越えるかを論じました。一般社団法人刻SAKE協会 事務局長の西山泰弘氏は、熟成日本酒を起点に「時間」が風味をどのように変え、さらには商品価値やビジネスモデルの一部となり得るかを解説しました。
また、世界酒蔵ランキング委員会 委員長の山田聰昭氏は、久利酒藏の冠協賛による特別講演において、国際的な品質評価の新たな視座を提示。単一銘柄の採点から、醸造品質・ブランド・文化・国際市場対応力を含めた「蔵全体」の総合評価へと転換しつつある潮流を紹介しました。

■ TDK、清酒センシング技術を海外初公開 台湾産清酒の風味をデータで「解読」
本フォーラムのもう一つの焦点は、総合電子部品メーカーTDKによる「TDK Sake Sensing System」の海外初披露です。本セッションのために、TDK株式会社からは技術・知財本部 インキュベーションセンター ゼネラルマネージャーの兼森庸充氏が来台し、自ら技術と分析成果を紹介しました。液体クロマトグラフィー・ガスクロマトグラフィーとAI解析技術を組み合わせ、酒に含まれる複雑な成分データを風味のレーダーチャートへと変換することで、これまで官能的な表現に頼ってきた香り・酸味・風味の特徴を、科学的データとして具体的に示す取り組みです。
今回TDKは、台湾で醸造された清酒「天衡」と「初心」を分析対象に選び、その検測結果を海外で初めて公開しました。会場では比較試飲も同時に実施し、両銘柄の分析データを日本の既存データベースと照合。台湾の地場原料、醸造環境、製造工程が形づくる風味の輪郭を、科学的手法で解き明かしました。

■ 10月1日「日本酒の日」に約150名で乾杯 日台韓の産官学関係者が一堂に
フォーラム終了後の夜には「2026日本酒の日 乾杯式典」を開催。台湾・日本・韓国の業界関係者、輸入代理店、飲食事業者、日本酒愛好家ら約150名が集いました。
式典には来賓として、公益財団法人日本台湾交流協会台北事務所 経済部の佐野浩太主任、中華民国酒類商業同業公会の陳志昇理事長、台北市酒類商業同業公会の劉祥秀理事長が出席し、それぞれ祝辞を述べました。その後、日本酒造組合中央会 理事の宇都宮仁氏とTSSA理事長・管怡宣の発声のもと、来賓も揃って年に一度の「日本酒の日」に世界と杯を掲げました。
本大会は、公益財団法人日本台湾交流協会台北事務所、独立行政法人酒類総合研究所、日本酒造組合中央会などの後援を受けて開催されました。TSSAは今後も、台湾における清酒・焼酎の専門人材育成・普及・研究に取り組み、台湾の醸造と国際的な経験をつなぐアジアの日本酒交流のハブとなることを目指してまいります。
| 名称 | 台湾清酒・焼酎研究協会 第2回年次大会 「2026清酒・焼酎国際交流フォーラム」/「2026日本酒の日 乾杯式典」 |
| 日時 | 2026年10月1日(木)フォーラム 12:30~18:00/乾杯式典 18:30~21:30 |
| 会場 | 格萊天漾大飯店(Great Skyview Hotel)13階 台北市萬華区艋舺大道101号 |
| 主催 | 社団法人台湾清酒・焼酎研究協会(TSSA) |
| 後援 | 公益財団法人日本台湾交流協会台北事務所、独立行政法人酒類総合研究所、日本酒造組合中央会 ほか |
| 登壇者 | 宇都宮仁(日本酒造組合中央会 理事)、松崎晴雄(日本酒輸出協会 会長)、髙橋圭(独立行政法人酒類総合研究所 主任研究員)、西山泰弘(一般社団法人刻SAKE協会 事務局長)、山田聰昭(世界酒蔵ランキング委員会 委員長) |
| 来賓 | 佐野浩太(公益財団法人日本台湾交流協会台北事務所 経済部 主任)、陳志昇(中華民国酒類商業同業公会 理事長)、劉祥秀(台北市酒類商業同業公会 理事長) |
| 参加者数 | 乾杯式典 約150名 |