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台湾清酒および焼酎研究協会4
https://www.saketaiwan.org/jp/ 台湾清酒・焼酎研究協会
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台湾清酒および焼酎研究協会

2024年、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)は、日本より提案された「伝統的な酒造り」を正式に無形文化遺産として登録いたしました。
この認定は、清酒や焼酎に代表される酒造文化が、単なる技術や味覚の領域を超え、人類が紡いできた生活と精神の歴史そのものであることを、あらためて世界に示す契機となりました。

水と米、あるいは麦や芋、麹、酵母といったわずかな素材が、幾月にもわたり静かに発酵を重ね、やがて一杯の酒へと昇華する様は、まさに自然と人の英知が織りなす液体の芸術と申せましょう。その一滴には、風土や気候はもとより、地域に根差した歴史や言語、人々の心情が息づいております。

この尊い醸造文化は今、豊かな多様性と創造性を抱く台湾においても、確実にその根を下ろし始めております。近年、台湾国内における清酒・焼酎への関心は目覚ましいものがございますが、一方で、醸造に関わる学術的知見や官能評価の体系、さらには文化的・歴史的素養については、なお発展の余地が大きいこともまた事実であります。

斯様な状況のもと、我々は「台湾清酒および焼酎研究協会」を設立する運びとなりました。
酒を単なる嗜好品としてではなく、文化と学術の架け橋として尊び、その奥行きを探究する志ある者たちが力を結集した次第でございます。

清酒および焼酎の価値は、決して市場や食卓の域にとどまるものではございません。それは、文化を継承し、学術を推し進め、さらには国際交流の礎ともなる極めて意義深い媒体であると、我々は確信しております。


四つの核心的使命

一、醸造文化の深化と職人精神の保存・継承

清酒や焼酎は単なるアルコール飲料ではなく、人類が長い歳月をかけて築き上げてきた醸造文明の縮図であります。当協会は、これらに関わる歴史、風土、技術、そして官能の領域を精緻に記録・解析し、その真価を広く伝えることで、後世へ確実に伝承していくことを第一の使命といたします。


二、学際的学術研究の基盤構築

科学と人文の調和を礎とし、清酒および焼酎に関わる官能評価、微生物学、発酵工学、フレーバー化学、さらには文化人類学・歴史学に至るまで、多面的な基礎・応用研究を推進してまいります。また、国内外の学術・研究機関との有機的連携を深めることで、台湾が世界の酒類研究において確たる発言権を有する地位を築くべく努めます。


三、国際的評価体系の確立と専門審査員の育成

酒における官能評価は、醸造文化を支える重要な柱でございます。当協会は、日本の正統な評価手法と基準を体系的に学び、これを台湾に適用・発展させるとともに、継続的かつ高度な研修を通じて、国際舞台に立てる専門審査員(国際プロフェッショナルテイスター)を育成し、優れた評価人材の輩出を図ってまいります。


四、国際交流の深化と台湾の清酒・焼酎文化の地位向上
日本の酒造各社や酒造組合、学術研究機関をはじめ、各国の関連団体との積極的な交流を通じて、国際フォーラムやコンペティションへの参画を推進し、台湾を東アジア醸造文化を結ぶ要衝といたします。これにより国内産業の国際競争力をも強化し、その未来を盤石たるものにいたします。


結びに

台湾清酒および焼酎研究協会は、今まさにこの歩みを力強く踏み出したところでございます。
市場の健全な発展、醸造に関する学術研究、国際評価体制の確立、ひいては国際協力の推進を共に担う志を持つ皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げております。

共に学び、共に築き、台湾における清酒・焼酎研究の灯を世界に照らし出してまいりましょう。

台湾清酒および焼酎研究協会
創会発起人一同 謹白
2025年7月

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